高齢者の片付け

片付け

前回は子供が実家の片付けをするというテーマでしたが、今回は自分自身が高齢者となった場合の片付けについて考えてみます。

他人の片付けはしんどい

実家の片付けをして感じることは、他人の物を片付けるのは自分の物を片付けるより何十倍も疲れるということです。

自分の物であれば何をどこに置いているか、それが何なのか大体は把握しています。

しかし他人の物となると、それは何か、なぜそこに置いているのか、なぜ必要かなどあらゆる情報を聞かねばならず、頭がパンクしそうになります。

当の本人が覚えていないものを他人がどうして把握できるでしょう。

また、埃や汚れなどがあると、自分の物以上にストレスを感じます。

とにかく物を減らす

片付けは体力、思考力を必要とします。

今は当たり前にできていても、加齢とともにできなくなります。

いかに整理するか、収納するかを考えてはいけません。

今はできても、歳をとれば整理そのものができなくなります。

いかに減らすかを第一に考えるべきです。

住人の物以外は処分する

配偶者と離別・死別する、子供が独立するなど、その家に住む人が変化した場合は都度見直しましょう。

死別の場合は法律上の手続きがひと段落した後に。

故人の物を処分することで気持ちの整理もついていきます。

離別、独立して残された物は、問答無用で本人に送りつけましょう。

それを処分するか保管するかは本人の問題。

邪魔だと思えば本人が処分するでしょうし。

持ち主にしか要・不要は判断できません。

もしくは数ヶ月以内に期限を宣告して、取りにこなければ処分する旨をはっきりと伝えましょう。

ベッドやタンスなどの家具も処分して構いません。



子供が離婚して実家に帰る場合もあるかもしれませんが、子供は新居で新しい家具を購入していますので、それらを持ち込めばすむことです。

京都には、娘が離婚して戻ってこないよう、結婚して家を出たら娘の茶碗を割る習慣があります。

同じような意識でいいのではないでしょうか。



今の生活に必要かどうかを考える

子育てが終わった、会社勤めを辞めたなど、生活スタイルが変わるたびに見直しを行います。

自分一人、あるいは夫婦二人の生活にそれほど多くの物は必要ありません。

今まで使っていた物であっても、もうゴルフは行かない、餅つきはしない、ハイヒールは履かないなど、価値観や習慣の変化によって使わなくなる物も多いです。

自分の年齢を改めて思い出し、残りの数十年で自分はこれを使うつもりがあるのか想像しましょう。

使えるかどうかではありません、使う予定があるかどうかです。

娘に孫ができたら使えるとか考えなくていいです。

娘は古いデザインの物より新しい物を欲しがります。

あくまで「自分」が使うかどうかです。

これだけで家にある物の半分以上が処分対象になるのではないでしょうか。



処分する

捨てると決めたら一刻も早く家から外に出しましょう。

売るとか再利用とか考えるのは、捨てるものが少なくて余裕がある場合のみ。

大量に片付けるなら、とにかく「捨てる」。

まずは小さいものから。

不要になった大型家具も解体、引き取りの手続きを取りましょう。

自分でできなければ子供や友人に聞く、行政に問い合わせると良いです。


物を置き直す

不要なものを全て処分したら、家の中はガランとするでしょう。

残した物を順番に収納していきます。

台に乗らないと手が届かない場所、地震の時に上から落ちてきそうな場所には物を置かないようにしましょう。

作り付けの棚や押し入れがあるからといって、そこに物を入れる必要はありません。


床に物を置かないようにしましょう。

動線は広めに空間を開けましょう。一度でもつまづいたら必ず別の場所に移動すること。

置く場所がなければ捨てる。


在庫は見える場所にまとめ、何がどこにあるのか、一目でわかるようにします。

とにかく取り出しやすい、使いやすい場所に見えるように置きましょう。

ラベルをつけても構いません。

他人が来てもどこに何があるかわかる収納を目指しましょう。


片付けは早いうちに

高齢になる程、片付けは困難になります。

脳トレと呼べるほど、エネルギーを使います。

必要なもの、必要なものの判断ができなくなります。


とにかく早いうちから物を減らす習慣をつけること。

高齢になる程、安全性を意識した物の収納法を習慣にすること。

本当に必要な物を見直すことで、自分は何がしたいのかを振り返るキッカケにもなり、残りの人生を有意義に過ごせるようになります。

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