多くの人が悩む実家の片付け。
昔は綺麗に片付いていたはずの実家も、親の年齢と共に散らかっていきます。
実家を片付ける理由
自分の死後に迷惑をかけないよう、持ち物を整理していくことを終活と呼びます。
しかし子が親に片付けを迫るのは、親が死んだ後に自分が困るからではありません。
親に安全に健康で暮らして欲しいからです。
ただ、それは子供の事情であって、親の方は終活を強要されているように感じるようです。
「私が死んだら全部捨ててくれたらいいから」
「ついでに私も捨ててくれたらいいから」
などと言われると、こちらとしてはそういう問題じゃなくて!と言いたくなります。
余計なお世話と言われても、放置するわけにもいきません。
優先すべき場所
実家に滞在する限られた時間で、抵抗を受けながらの片付けは非常に困難です。
それでも優先的に見ておきたいのは以下の3カ所。
上部のホコリを取り除く
クーラーやファンヒーターをつけると部屋のホコリが舞います。
ハウスダストはアレルギーの主因です。
高齢になると、台に上がって掃除するのはとても危険。
照明器具、タンスの上など、手の届かない場所のホコリを掃除してあげましょう。
動線の邪魔になるもの
上を見た後は下。
目線を下げた場所の片付けです。
物が増えて置く場所がなくなると、つまづきやすいところに物を置くようになります。
動線の安全は何よりの優先事項。
転倒して骨折し、寝たきりになるのは屋外だけではありません。
しゃがまないと取れない場所にある引き出し、棚の中もチェックしてみましょう。
取りにくいという理由で放置されている物が多いはず。
中身は賞味期限切れの食べ物・ゴミのような不要品ばかりかもしれません。
中身がなくなれば邪魔な棚や箱は撤去します。
捨てられればベストですが、抵抗を受けた場合は邪魔にならない場所に移しましょう。
冷蔵庫の中
親の世代は本当に物を捨てるのを嫌がります。
調味料など、ビックリするほど古い物を使い続けていたりします。
漁っていると思われない程度に、何かのついでに冷蔵庫を開け、チェックしておきましょう。
あまりにも古い物があれば、確認を取ってから捨てましょう。
本人が存在にすら気づいてなさそうなら、シレッと捨てましょう。
正月前は良いタイミングです。
スペースを空けないと他の物が入れられないので、わりと素直に捨てさせてくれます。
片付けのポイント
場所を変えない
なんでこんな所にこんな物を置くのと思っても、本人的にはそこが一番便利ということもあります。
強制的に別の場所に移しても、結局は本人が使いやすい場所に戻してしまいます。
どこに移されたのか本人がわからなくなります。
なるべく場所は変えないようにしましょう。
ただし、複数箇所に同じ物が散らばっている場合は、一番多く集まっている場所にまとめてしまいましょう。
置いた場所がすぐに目につくように配置しましょう。
取りやすい場所に置きましょう。
本人がその気になったチャンスを狙う
馬を水飲み場に連れて行くことはできるが、飲ませることはできない。
こちらがヤイヤイ言うと、頑なに捨てるのを拒絶します。
ある程度言ったら、深追いせずに放っておきます。
本人が不便と思えば動かすか捨てるでしょうし。
本人がせっせと片付けをしているときは、ゴミを回収場所まで持って行ってあげるとよいです。
特に不燃物は回収日が限られているため、捨てるのが面倒になりがち。
人様の目を気にして、大量のゴミを出すのを嫌がる世代でもあります。
片付け後のゴミ捨て(指定の日に収集場所まで持って行く)をやってもらうだけで、ハードルがかなり下がるようです。
リサイクルに出す
これ売れるよ~と言って、リサイクルに少しだけ出してあげましょう。
実際に売上げがあると、勢いづいて「これもいらない」「あれもいらない」とズルズル不要品を申告してくる場合もあります。
売れなくても、既に市場価値がない物として認識され、捨てる気になってくれる場合もあります。
売上金は親に渡しているとしても、自分の名前で販売手続きを行う場合、一定金額を超えると税務申告が必要になるので注意しましょう。
最終的には諦める
自分が片付けに慣れてしまうと、混沌とした場所にストレスを感じるようになります。
一方で、何とも思わない人もいます。
それが良いか悪いかは別にして、実家は自分の家ではないことを自覚しなければなりません。
どんなにゴミ屋敷になろうと、不健康であろうと、それは親の問題であって自分の問題ではない。
その割り切りが根源になければ、お互いにストレスになります。
その上でなるべく良い環境に持って行く努力をする。
難しいですけどね・・・。